トライアスロンとファッション

 前回のカーボン繊維で生地を織り上あげるという話はいかがでしたか。
トライアスロンバイクに使用されるこのカーボン、成型素材として実に面白い素材なのです。バイクでは主にフレーム材に使用されているのですが、このバイクの乗り心地と剛性のバランスをどう両立させるかが最大のポイントとなっています。乗り心地について言えば、トライアスロンの場合ショートで40キロ、ロングだと180キロ近い距離を自転車に乗るわけです。その間、路面から体に伝わる振動というものはかなりなもので、いかに不快な振動を体に伝えないようなフレームにするかが大事です。細かい振動の蓄積は、あっという間に体力を奪い取ります。しかし、振動をより吸収しやすくするためには、剛性を低く、つまり柔らかく作らなければなりません。そうなると、今度は自転車のペダルを漕いだときにフレームがその力を吸収しより前に進まなくなるのです。もちろん、このことはサイクリングとかでは感じられないかもしれませんが、チョットした坂をママチャリといわれる自転車と競技用自転車を乗り較べるとよくわかります。ママチャリのフレームは鉄で出来ており、鉄はとてもよく素材そのものが振動を吸収してくれるので、体に負担のないように作られているのですが、早く走るようには出来ていないのです。
 現在のカーボン素材のトライアスロンバイクは、これらの「乗り心地と剛性」のバランスの追求を極限まで煮詰めたものとなっています。
by ffashion | 2006-06-05 00:00
<< 就職活動② 6月はバラの月 >>